床下断熱にアイシネンを使わない理由
2020-03-26
床下断熱にアイシネンを使わない理由を語ります
基本的にウチは 壁と天井の断熱材はアイシネンを採用し、
床の断熱材はボード状の高発泡ポリスチレンフォームかフェノールフォームを
採用しています。
とりあえず、そうしている理由をあげてみますね。
・断熱性能を上げにくい
・コスト的に無駄
・吹き付けする職人さんが可哀そう
・仕上がりを確認しずらい
アイシネンの断熱性能はそれほど高くはありません。
気密を上げたり、熱橋となる金物を被覆したり、複雑な形状の建物に対応したりと
いろいろなメリットがアイシネンにはあります。
でも、熱伝導率で行くと フェノールフォームや高発泡ポリスチレンとかなり差があります。
職人を床下に潜らせて施工しますので、施工のコストは高いです。

また、防護服を着て床下に潜るのはかなり大変です。
ホースを持って行かなくてはいけないし、施工中の空気は悪いし、
補修作業も必要だし、仕上がりをカメラに写さなくてはいけないし、
作業は極めて過酷です。
5組あった施工グループが2組になってしまったのは
これが原因じゃないかなと。
そして、一番の理由は「仕上がりを確認しずらい」です。
床下に潜るのはキライじゃありませんが、アイシネンの仕上がりのチェックの為に潜るのは嫌です。
わざわざ、チェックのめんどくさい工法は使いません。
実際、石川県おいて こんな事例があります。
「引き渡し後に お客様の指摘で ひと部屋施工するのを 忘れていたのに 気がついた」
そうなるわな(^^;
当たり前ですが、現場監督も床に潜ってチェックなんかしません。
だって、めんどくさいですから。
なんでこんな非合理的な工法と取るかと言うと、
いまだに、根太転がしで施工している会社だからです。
気密をある程度取るために、アイシネンを床断熱に使います。
こういう会社に建築を依頼される方は、
「現場監督が床下に潜ってアイシネンの仕上がりを確認しました。」
と言う念書でももらってください。(^^;
アイシネンを使い続けて22年!
それなりの知識と経験がありますよ。(^^)
PS :アイシネンは国産のモノより高価だけど やっぱり高品質なので使い続けます。
カテゴリ :断熱材
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高気密にした方が良いと思いますよ!
2019-06-25
高気密高断熱住宅のC値は 0.5c㎡/㎡をクリアしたい。
サッシや玄関ドアは多少隙間があっても良いのです。
しっかり気密を取りたいのは 給排水管の断熱材貫通部、コンセント周り
そしてユニットバス区画の気密断熱です。
解説のために 気密を取っていない家の断面図を描いてみました。
(あえて手描き)

気密測定をしない家(もしくはC値1.5を確保できない家)はこんな感じです。
床の断熱材をくりぬいて配管を通しますが、この状態で仕上がりです。
当然ながら、隙間から冷気が侵入してきます。
(もちろん、いろんな虫たちも上がってきます)
そして、冷気はキャビネットと床の隙間から流れ出てきます。
こんな構造だから 足元が寒いのです。
同じことは、洗面化粧台やトイレ手洗い器でも言えます。
しかも「ジメジメしそう」と書いた部分は
室内の温かい湿った空気と 外気の冷たい空気が触れ合いますので
結露を起こしやすい空間となっています。
この空間、あの茶色の虫にとってはとっても快適な空間です。
湿気があるし、温かいところもあるし、食べ物は沢山あるし。
ちなみに、私は高気密高断熱の家に17年住んでいますが
茶色い虫を発見したのは7回ぐらいです。
おそらく外部から侵入したものと思われます。
繁殖はしておりません。(^^)/
今回はシステムキッチンの断面を描いてみましたが
ユニットバスや玄関周りの断面図も 解説の為に描いてみたいです。
(ユニットバスは前に描いた事あり)
気密をしっかり取るか、それとも取らないかは
施主であるあなたが判断してください!(^^)
PS :
どうせなら 生活スタイルが変わってしまうぐらいの新居に 住んで頂きたい!
カテゴリ :断熱材
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10年前のアイシネンが見れますよ!
2018-11-29
当事務所の点検口を開けると 10年前に施工したアイシネンを見ることができます。
紫外線が当たらないので、劣化は無いですね。

「現場発泡断熱材」を否定する設計士もおりますが、
良い商品を選べばまったく問題ありません。
私は、「ダイライト+アイシネン」の家に住んでいますが
「パネル工法」の入れにも かつて住んでおりました。
「気密シート+グラスウール」の家に住んだことはありません。
「気密シート+グラスウール」は材料費が安くつきます。
でも、大工さんの労働日数が増えます。
これは、工期が伸びるので嫌です。
複雑な形状の家や下屋の多い家では、気密が取りにくくて嫌です。
気密シートを繋ぐ位置に気を使うので嫌です。
電気屋さんの施工も面倒になるので嫌です。
屋根断熱も施工しにくいので嫌です。
と言うわけで「気密シート+グラスウール」で家を建てる気は 今後もありません。
ちなみに 現場発泡も色々ありまして
現在は3社の製品がシェアを取っていおります。
中には、訴訟を抱えたメーカーさんも存在します。
当事務所としては 19年前にアイシネンを初めて採用しました。
そのころ、国産の現場発泡断熱材は大したものがなく
木造住宅への施工事例は極めて少なかったです。
そこで、カナダで開発され、実績も多かったアイシネンを選択いたしました。
コスト的には国産より3割ほど高いですが、要となる建材なので
あえて良いものをセレクトしました。(^^)
ハウスメーカーや設計士は色々言ってくると思います。
でも、本当に知識と経験のある人は少ないです。
失敗しないように、お気を付けください!m(__)m
カテゴリ :断熱材
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セルロースファイバーについて
2015-12-03
セルロースファイバーはアメリカ発祥の断熱材です。(確か北米)アップルゲート社のセルロースファイバーが有名で
建材展の展示会でも見る事ができました。
セルロースファイバーと一言で言っても
本場アメリカでの施工方法と 日本での施工方法は全く異なります。
アメリカではツーバイフォーの壁合板に室内側から吹き付けします。
そして、室内側にあふれた物を削る感じでしあげます。
セルロースファイバー自体に接着性を持たしてあるので
現場発泡と同じ感じの施工方法になります。
それに対し日本での施工方法は
外部に張った透湿防水と 室内側に張った不織紙の間に吹き込みをします。
不織紙に穴をあけて吹き込むのです。
スジカイやコンセント等も入っていて 均一に吹き込むのは難しいと思いますが。
営業さんに
「これって、そのうち下の方へ沈みますよね?」
と聞いたところ
「沈みません!」 と言い切りました。
そのとき、ダメだこりゃ!と思いましたわ。^_^;
重力があるんだから、多少接着性があったとしても、絶対に下がるに決まってます。
営業的に100%と言い切ったらだめですわ。
「絶対に落ちません。落ちたら全額返金いたします」と念書に書かすぞ!
ちなみに 金沢にセルロースファイバー押しのハウスメーカーがあるんですが、
そこの設計士さんが自分の家に採用したのはアイシネンです。
自分の家には 本当に良いモノを選んだわけですよ。
会社の仕様はあくまで、家と言う商品を売って利潤を上げる為の仕様ですから。
それと、セルロースファイバーの金額は現場発泡と変わりません。
古新聞紙のくせに結構高い。^_^;
高気密高断熱のニーズが確実に伸びているので
単体で気密の取れないセルロースファイバーは すたれて行くと予想されます。
参考になさってください。
PS :セルロースファイバーについて ここまでの知識はあります。(^^)
カテゴリ :断熱材
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