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建売住宅はなんであんなに安いの!?と聞かれて

 2013-07-04
クライアント様が建売住宅を指差して こう言いました。

「なんで建売住宅はあんなに安いの!?土地と建物で2450万円って・・・」

クライアント様の建てている家は 土地が別で2400万円。
いったい、どうしてこんなに差が開くのか?

わたくしが解説いたしましょう。

ちなみに、私はデベロッパー時代に 質の高い建売住宅の設計と現場監督をしていました。
後に、石川県の住宅会社に転職し設計業務をし、
独立後は、下請けで建売住宅の設計と申請を行っていました。

<解説>

①地盤改良
 ・柱状改良を行う場合は 少ない予算に合わせたコンクリートの配合量を少ないしたパイルで対応。
  スコップで削れるぐらいの強度物でした。 事実

②基礎工事
 ・コンクリート強度はおそらく18KN(キロニュートン)程度か?それ以下か? 予想
  ちなみに、うちの事務所では27KNをベースにしております。
 ・型枠養生期間は短いです。真冬に中1日で脱型しているのを見ました。
  冬は少なくても中4日は養生するものでしょう。水が早く抜けると強度低下の恐れがあります。 事実
 ・基礎の上端レベルはかなり誤差があります。これを、指摘する人がいないので、そのまま工事は進みます。事実
 ・床下部分に土間コンクリートを打つ事は無く、「防湿フィルム+砂」の仕上がりです。
  湿気は上がりますわね。 事実
 ・玄関土間周りの断熱施工は無し。ユニットバス周りの基礎断熱材も無し。お風呂は寒く、結露するでしょう。事実
 ・ホールダウン金物は少ない。耐震壁が少ないので、計算で本数を算出するホールダウンも少ないです。事実

③本体
 ・材木はB級品ですね。ねじれ気味の木材や 割れのあるものが多く使われている。事実
 ・梁のセイ(大きさ)は限界ギリギリでしょうね。荷重計算を行わない場合も多いらしい。
 ・耐震壁(スジカイや面耐)は最低限です。建築基準法をクリアしているが、とても怖い。事実
 ・腕の良い大工さんはほとんどいない。腕が悪く普段は店舗やリフォームをやっている大工さんが多い。
  デベロッパーの時に とんでもなく腕の悪い大工3人と出会った。事実
 ・石膏ボードを留めるビスのピッチは粗い。
 ・現場をチェックする発注者側の設計者や監督は存在しない。悪い所があっても誰も知らない。
 ・断熱材はグラスウールを使う事が多い。安いですから。最近はロックウールも見られる。事実
 ・ツーバイフォーしか作った事のない大工さんが、在来工法に初めてチャレンジしてました。事実

④給排水工事
 ・ポリブテン管を使っているのに、ヘッダー方式ではなくT字に分岐を繰り返す方式。
  ヘッダーのメカの代金を節約しているようです。メリットないです。

⑤電気工事 
 ・完成物件を見た事ないので、よくわかりません。

このように、見えないところが安く出来ているのです。
結構重要だと思うのですが、それを気にしない人もいますので・・・・。

特に不動産屋の発注で建った建売住宅は要注意です。


私が言いたいのは

3世代(75年)に渡って住めるよう 適正価格でしっかりした家を建てましょう!

です。(^^)
 
  




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