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改築での高気密高断熱化は難しい

 2020-03-10
「改築で高気密高断熱化はできないですか?」
と、複数のご相談を受けました。
色々考えてみたのですが やはり難しいです。

矩計図を見るとそれが分かります。
オレンジ色に塗ったところが 特に気密施工が難しい部分です。
どう考えても 作業ができるほど手が入れられません。
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床下断熱は既存の断熱材を外して アイシネンを吹き付けるか。
でも、浴室周りはかなり難しい。
天井断熱にアイシネンは厳しいので 屋根に吹き付けるか。
通気層を殺さずに施工するのは難しい。
壁断熱は外壁を外して ボード状断熱材を外張りするか。
既存の柱梁の凹凸が気にはなるが、これしかないだろう。

サッシは外して交換する事もできるが 昔とサイズが違うので
全部が特注となるかもしれない。
それか、既存の窓より少し小さくする?
室内の壁も傷めてしまうので、ある程度の直し工事が発生すると思われる。

気密性能は保証できません。
目標数値をC値2.0ぐらいに設定したとして
それをクリアする為に 延々と直し工事を続けるのは辛い。

断熱と気密をある程度改善したとしても
地盤と基礎を改善する事はできない。

仮に30年前の家だと想定しましょう。
コンクリート強度は?
鉄筋の太さは?異形鉄筋?補強筋は?被り厚は?
アンカーボルトは?(ホールダウンは存在しません)
建物自体の木軸構造も改修しないと弱いでしょうね。
大きな地震が来たら アウトだと思われます。

高気密高断熱化の改修は極めて難しく
コストも時間も掛かります。
可能であれば、建て替えをお勧めいたします。

ps:新築の高気密高断熱住宅に匹敵するものは造れません。




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