温熱環境の専門家を信じすぎないで
2020-07-04
本日、クライアント様と間取りの打ち合わせをしました。
前回の打ち合わせはスタッフが行っているので
久しぶりに図面を見ました。
子供部屋の間取りを見て「なんでこんなに窓が小さい!?」と思った。
クライアント様とスタッフに話を聞くと、
温熱環境の専門家である松尾氏がYouTubeで
「1面あたりの窓は0.5㎡以下にすべき」と言っているから・・・と教えてくれました。
でも、そんな小さな窓の子供室は 快適では無いですよね。
天気のいい日でも 照明を点けなくてはいけない、
外の風景も見えない、納戸のような閉塞感のある部屋になってしまいます。

本当にそんな事を言っているのか YouTubeでチェックしてみた。
確かに、こんな風に説明されていました。
ただ、LOW-Eの採用を勧めていたりするので
サッシのレベルは樹脂複合サッシのペアガラスぐらいを想定して
説明しているのだと思います。
ちなみに、トリプル樹脂サッシはダブルLOW-Eが標準になっています。
窓を少し大きくするのを 例外扱いにするのはどうかと思います。
アウターシェードは効果がありますが
色々と面倒なので室内側のブラインドでも良いと思います。
わたしは保温室みたいな家には住みたくない。
重要なのは「バランス」です。
こんなコメントもありました。
南面は遮熱LOW-Eではなく、断熱LOW-E(日射を積極取り入れるタイプ)を使って
パッシブにしましょうと言う提案です。
温熱環境に詳しいお客様はこれを実践しようとされます。
実際に採用した家も2棟ほどあります。
でも、自分が家を建てる場合は 絶対に採用しません。
全面の窓を遮熱LOW-Eにします。
日射取入れ型のLOW-Eは なんの抵抗もなく日射が通ります。
ただのガラスと同じような 日差しが入ってくるのです。
LOW-Eの価値が感じられません。
保温に関しては熱線反射ではなく 空気と充填ガスで行えば良いんじゃないでしょうか。
日射取入れ型のLOW-Eを使った場合、南中時は太陽高度が高いので問題ないですが
夏の 6:00~10:30 と 14:30~18:00 の太陽高度が低い時間帯は
アウターシェードなどで日差しをコントロールする必要があります。
日差しをガンガンに取り入れてしまいますので。
自分だったら、その時間帯にアウターシェードを使用するのは嫌です。
外が見たいし、外と繋がりたいです。
また、
日射取入れ型のLOW-Eは冬に日射を取り入れて
暖房器具の消費エネルギーを減らすのですが
北陸は冬の日射量は少ないので あまり意味がないですね。
温熱環境の専門家の意見は一般論を言っているのであって
それをベースに エンドユーザーや設計士はアレンジする必要があります。
ただ、松尾氏が言いたいことも分かります。
大手ハウスメーカーなどが性能をあいまいにして
日本に性能の低い住宅をまん延させてしまったことに対する怒りでしょう。
そのお気持ちは分かります。
YouTubeにアップした時点で批判も覚悟だと思いますので
がっつり書かせて頂きました
日本に本当の高性能住宅を普及させるために
松尾さん、お互いに頑張って行きましょう!
面識はございませんが
いつかお会いして話をする時が来るかな?
自分はマイナーだからそれは無いか~(^^;
まあ、北陸で頑張ります。
PS :
一応言っておきますが、わたしってデザイン系の設計士なんです。
性能だけを追っている訳ではないんです。
なぜかこんな感じになっていますが (^^;
カテゴリ :ひとりごと
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