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オーバーハングはありえません

 2021-02-08
ある日、ウチのスタッフが 
オーバーハングの間取りを描いていた。

それに気が付いた私はこう質問しました。
「何のためにオーバーハングさせるのか? こんなものが強いと思ってるのか?」
その回答
「かっこいいと思いまして」

・・・・その程度の思想だったら 
知識のあるお客様に説教されますわ。

これがオーバーハングです。
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オーバーハングをしていても鉛直荷重は受けれます。
でも、予想を超えた地震に対しては不安と言えます。

お客様から
「この家って、当たり前ですが地震に強いですよね?」
「やっぱり耐震等級3に変更したいです!」
と言われたらどうする。

こうお答えするのか、
オーバーハングしているから 通常の設計より耐震性能は少し落ちます。
オーバーハングしているから 耐震性能3は無理ですね。

施主様が要望していないのに 勝手にオーバーハングさせといて、
そんな回答、ありえません!

一度、オーバーハングをOKにしたら、
次々とリスキーなプランを作るようになるでしょう。
弱い建物を増やすなんて 社会悪企業です。

オーバーハングはありえないので「ダメ」を出してプランを作り直させました。

知り合いの建築家はこんな建物設計します。
キノコのような家です。
鉄骨の構造なら 成り立ちます。(構造計算上は)
でもね、構造計算の想定値を超えた地震が来ることも考えられますよね。
その時は一気に倒壊して人命が失われます。
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これは建築家だからできる設計です。
(人が室内を歩いたら、床が揺れるかもね)
ゼネコンの設計士はしないでしょうね。
やはり限界を超えた時に 完全倒壊をしないようにと考えるはずです。
自分の場合はやはり後者の考え方です。

最近、弱い建物を設計するHMも増えていて 嫌な感じです。
無理な要望を出す施主さんには ちゃんと説明すればよいのに。
「鉛直荷重は問題ありませんが、想像以上の地震が来た時に損傷をうけます。
 せめてここに耐震の壁が欲しいです!」
と言って欲しいです。

前にも同じこと言いましたが、
設計士は構造計算をした建物を経験して
今まで自分のしてきた設計が 間違えだったことに気が付いて欲しい。
(OB施主さんにとっては迷惑な話ですが)

私は強い家の設計と普及に励みます。(^^)/

PS: 
 制震装置まかせの設計はダメですよ。
 基本はしっかりと耐震性能を持たせて、それを補助する形で制振装置をしましょう。
 その辺り勘違いしそうなので 施主様も気をつけましょう。

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